点鼻用インフルエンザワクチンについて

当クリニックでも2025年度から点鼻用のインフルエンザワクチン(商品名:フルミスト)の接種を開始します

点鼻用ワクチン(フルミスト)は鼻に噴霧(スプレー)するタイプのワクチンですが注意事項の多いワクチンです。従来の注射用ワクチンとの違いや注意事項を記載させて頂きますのでご検討されている方はご参考にしてください。

*今年度は40人分のみの限定です。なくなり次第終了とさせていただきます。ご了承ください。

【対象年齢】

2歳~18歳まで

【接種回数】

接種回数は1回のみです。

左右の鼻腔内に0.1mlを1噴霧ずつ、合計2噴霧を鼻腔内に噴霧します。

鼻腔内に噴霧するため注射の痛みはなく心理的・身体的負担が軽減されます。

【ワクチンの型】

インフルエンザA型及びB型の両方を予防します。

A型2種類(H1N1、H3N2)、B型1種類をカバーした3価ワクチンです。

【ワクチンの効果】

点鼻用ワクチンは生ワクチンのため注射用ワクチン(不活化ワクチン)より効果持続期間が長く、注射用ワクチンは約4か月、点鼻用ワクチンは約6か月~1年の効果期間と言われています。

ただし予防効果に関してははっきりとした差はありません(効果を比較したデータはありません)。

そのため日本小児科学会は2~18歳のインフルエンザ予防において点鼻用ワクチンと注射用ワクチンを同等に推奨しています。

【接種のできない方】

・熱がある方

・鶏卵や鶏肉、ゼラチンにアレルギーがある方

・免疫機能に異常がある・免疫抑制剤による治療を受けている方

・妊娠中の方

・接種時に鼻水や鼻閉(鼻づまり)が強い方

・喘息がある方(従来の注射用ワクチンが推奨されています。米国では喘息の既往のある2~4歳児や過去1年以内に喘息発作があった方への接種は推奨していません)。

【主な副反応】

鼻水・鼻づまり(約30~50%)、咳(約10~30%)、のどの痛み(約10%)、頭痛(数%)、発熱(10%未満)など

【フルミストの注意点】

水平伝播の可能性:点鼻用ワクチンは弱毒化されていますが生ワクチンです。そのため飛沫や接触により、接種を受けた人から受けていない人にワクチンウイルスが広がる可能性があります。従って、ワクチン接種後1~2週間は重度の免疫不全者や乳児との接触は可能な限り避けてください。

【点鼻用ワクチンを勧める人】

〇とにかく注射が嫌で仕方がない人

〇従来の注射の接種後に注射部位の腫れが強くなりやすい人

【従来の注射用ワクチンを勧める人】

●喘息のある人(米国では喘息また喘息の既往のある2~4歳児や過去1年以内に喘息発作があった方への接種は推奨していません)

●授乳中の人

●妊婦の人

●周囲に免疫不全患者がいる人

●免疫不全の人

●ゼラチンアレルギーのある人(フルミストには安定剤としてゼラチンを使用している為)